アロマテラピーとは香りを利用した自然療法のことです。
アロマテラピーにはいろいろな方法がありますが、精油を用いたものが一般的です。気楽に始められるものですが、精油のこと種類から、効能、選び方、使い方を知ってから初めてみませんか。
アロマテラピーに必要な精油の基礎知識
アロマテラピーとは
アロマ「aroma=芳香」テラピー「therapy=療法」で、一般的に植物から抽出した精油を使用した自然療法を指します。
1910年頃フランス人の科学者のルネ・モーリス・ガットフォセが使った造語で、彼はアロマの父と言われています。
アロマテラピーは古代エジプトから宗教的な儀式や病気の治療に植物の香りが利用されていました。
古代ギリシャやローマでは香りの研究もされていて、その頃から練り香や香油を用いたマッサージや部屋に香りを満たしたり、現代と同じ使い方をしていたようです。
中世ヨーロッパではペストなどの疫病の予防や駆除に用いられたり医療にも役立てていました。
日本書紀によると、淡路島に沈水(沈香という香木)が漂着し、島民が火にくべたところ、その木から素晴らしい香りが辺りに立ち込めたと記されています。日本ではその頃から?
香りがどうやって体に影響するの?
香りの伝わり方は「嗅覚から脳へ」「呼吸器から血液へ」「皮膚から血液へ」と3つの伝わり方があります。精神的な効果はよく知られておりますが、血液へ・・・と聞くとテラピーで使用するオイルのことも気になりますよね。エッシェンシャルオイルとも精油とも呼ばれています。
精油の基礎知識
精油(エッシェンシャルオイル)とは
植物の花、葉、果皮、根、種子、樹皮などから抽出した液体の事を言います。100%天然素材で、抽出する植物によってそれぞれに独特な香りと効能があります。特徴としては
・香りが強いです。「芳香性」
・空気中に放置しておくと蒸発します。「揮発性」
・水に溶けにくくて、油に溶けやすいものです「親油性」
・光、熱、酵素などによって劣化してしまいます。
・天然の化学物質である有機化合物の集合体です。
精油の抽出方法
抽出の方法は芳香成分の特徴によって選ばれています。(代表的なもの3つ)
・水蒸気蒸留法
現在でも最も一般的に行われている抽出方法です。水や熱を使うので植物によっては適さない
物もあります。
・圧搾法
果実を圧搾機で絞って採油する方法です。この方法だと植物に近い香りが得られます。
・揮発性有機溶剤抽出方
熱に弱い花の精油を抽出する方法です。
精油の作用
精油がどのように心のケア、心身の状態を作用しているのか。精油成分の主な伝達経路は、嗅覚・呼吸器・皮膚・消化器があります。
嗅覚は芳香ですね。皮膚はオイルマッサージやアロマ化粧品を用いたものになります。
呼吸器官、消化器官を通して行うのは、使う精油での注意や医師の指導のもと行ってください。
滞っている血液、リンパ液の流れをよくする作用、大腸の働きをよくする作用、血圧の上昇、降下作用と精油にはもっともっとたくさんの薬理作用があります。
精油の香りの分類
香りの種類は7つのグループにわかれます。
■ 樹木系:森林浴気分を思わせる香り。思わず深呼吸したくなりますよ。
■ ハーブ系:ハーブの種類によつて違う香りが楽しめます。スッキリと清涼感のある香り。
■ 柑橘系:フレッシュな香りで一番好まれやすい香りでしょうか。心も体もリフレッシュ。
■ フローラル系:甘く優しい香り。華やかなで優雅な気分に。
■ エキゾチック系(オリエンタル系):異国の雰囲気に満ちた神秘的な香り。
■ 樹脂系:木の樹皮からとれるものですが、甘い独特な香りが特徴。
■ スパイス系:香辛料のようなイメージのスパイシーな香り。
精油は1種類でも効果を発揮しますが、2種類以上組み合わせるとより効果がアップします。
精油のブレンドは、お好みでオリジナルの香りを作れるのが、アロマテラピーの楽しさでもあります。
ただ、ブレンドするポイントもコツもあります。初めは2~3種類で同じ香りのグループから相性の良い精油を選んでいくことがから始めると良いでしょう。
精油の選び方・扱い方
精油を購入するときに、ビンに情報が記載されているかチェックしましょう。
嗅覚・皮膚からでも体に入るものです。100%天然物を選んでください。
エッセンシャルオイル(精油)」と書かれ、品目、学名、原産国、抽出部位、抽出方法、まで書かれていると良いのですが、英語や外国語表記の場合、輸入元の日本語で(シールなどで)表記されているかも品質を見極める方法になります。
購入はアロマ専門店をお薦めします。今は大型ショッピングモールにお店を出しているところも結構あります。天然物でもお値段に差があるのは、抽出方法だったり、植物の抽出部位によって量が違うことから値段も異なってくるようです。
私は通販で購入の時もあります。
また、精油はデリケートです。日光、熱、金属などに影響を受けやすく、香りや色が変化してしまうこともあります。保管する際は、日光の当たらないところ。そして色付きの遮光ビンで蓋がしっかり閉まるもので。
精油使用にあたり基本の注意事項
100%天然素材で、それぞれに有効成分がある精油ですが、医療にも使われる事から作用も強力で使用法を間違えると、皮膚炎をはじめ、身体に害を起こすこともあります。
1・原液のまま皮膚に使用しないこと。(刺激が強すぎます)
2・敏感肌・アレルギーが心配な方はパッチテストを行ってください
3・赤ちゃんには使用禁止です。3歳以上でも高齢者、妊婦さんは、精油の種類によって
は危険なものもあります。
4・精油の使用期限を守ってください。
5・内服はしないでください。
(子供さんがいる家庭では保管場所にも気を付けてください)
6・火気に注意してください。
注意が必要な精油
身体の状態によっては、注意が必要な精油、主なものを挙げておきまし。参考にしてください。
妊娠初期は使用を避けた方がよい | カモミール・ジャーマン、カモミール・ローマン、サイプレス サンダルウッド、ジンジャー、ラベンダー、ローズAbs、ローズオットーなど |
妊娠中は使用を避けた方がよい | アンジェリカルート、クラリセージ、シダーウッド・アトラス、ジャスミン ジョニパーベリー、セージ、ゼラニウム、タイム・リナロール、パルマローザ、 フェンネル、ペパーミント、マジョラム、メリッサ、ローズマリー・シネロール、な |
授乳中は使用を避けた方がよい | カユプテ、コリアンダー、シダーウッド・アトラス、シナモンリーフ、ジョニパーベリー、 セージ、フェンネル、ブルーヤロウ、ペパーミント、マジョラム、レモンバーベナなど |
生理が重いときは使用を避けた方がよい | クラリセージ、ジョニパーベリー、セージ、フェンネル、ペパーミント、ミルラ、 ローズマリー・シネロール、ローズマリー・ベルべノンなど |
敏感肌の人は肌への使用を避けたほうがよい | イランイラン、カルダモン、カユプテ、サイプレス、ゼラニウム、ティートリー、 ニアウリ・シネオール、バジル・リナロール、ブラックペパー、ペパーミント、 ベルガモット、メリッサ、ライム、レモン、レモングラスなど |
光毒性がある精油 | アンジェリカルート、オレンジ・スイート、ぐらーぷフルーツ、ベルガモット マンダリン、ライム、レモンなど |
高血圧の人は使用を避けた方がよい | セージ、タイム・リナロール、ペパーミント、ユーカリ・グロブルス、 ローズマリ・シネオール、ローズマローベルべノンなど |
てんかんの人は使用を避けた方がよい | コリアンダー、シダーウッド・アトラス、セージ、フェンネル、ブルーヤロウ、ペパーミント、 ローズマリー・シネオール、ローズマリー・ベルべノン、スパイク・ラベンダーなど |
集中したいときは避けた方がよい(運転、勉強) | イランイラン、クラリセージ、サンダルウッド、ジャスミン、ネロリ、プチグレイン、 ベンゾイン、マジュラム、ラベンダーなど |
長期にわたって使用しない方がよい | オレンジ・スイート、ジュニパーベリー、フェンネル、ブラックペパー、ブルーヤロウ、 マジョラム、マートル、ユーカリ、グロブルス、レモンなど |
使用量に注意する精油 | アンジェリカルート、イランイラン、クラリセージ、グローブ、月桃、コリアンダー、 ジンジャー、スパイク・ラベンダー、パチュリ、フェンネル、ブラックペパー、 ペーパーミント、ユーカリ、グロブルスなど |
まとめ
アロマテラピーは香りでリラックス、癒されるもの。そして自然治癒力を上げる効果もあります。難しく考えずに、好きな香りを楽しむのが一番の癒し、健康ですよね。私も、好きな香りの素材、原料が何か、身体の状態によっては使わない方が良い香りもある。と知っておけて良かったです。
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